【行け!稲中卓球部】古谷実の作品一覧【ヒミズ】
笑いと哲学。この言葉を聞くと真っ先に思いつくのが古谷実さんです。
1993年、週刊ヤングマガジン誌上にて「行け!稲中卓球部」でデビュー。
奇想天外な展開と圧倒的なギャグセンスは爆発的にヒットし、ギャグ漫画の代表的な作家になりました。
そんなギャグ漫画の歴史を辿るのには欠かせない漫画家になった古谷実さんですが、ある時を境に作風が変わります。
それは、シリアス・不条理で救われない、哲学的な漫画展開。
そんな笑いから哲学と幅広い作品を生み出す漫画家、古谷実さんの作品を紐どいていきましょう。
以下敬称略
古谷実作品一覧
古谷実のデビュー作にして代表作。
“変態”前野、“あしたのジョーおたく”井沢、“ムッツリスケベ”田中、“ハーフでワキガ”田辺ミッチェル五郎、“女殺し”木之下、そして部長の竹田。稲豊中学校、卓球部の六人は、今日も練習に励んでいた。ある日、前野に告白しようとする女子が現れた!前野と「女なんかくそくらえ会」会長と副会長の間柄だった井沢は激怒して…!?あの伝説のバカたちが帰って来た!
https://ebookjapan.yahoo.co.jp/content/author/1822/
単行本全13巻(1993年 – 1996年)
連載から20年以上経っているにも関わらず、今読んでも笑えます。
コンプライアンスが厳しくなった昨今の傾向とはかけ離れた90年代だからこそ許される下品さが逆に魅力かもしれません。
ブラックな笑い。ディープに笑い方におすすめ。
親ナシ、金ナシ、職もナシ。だけど俺らにゃギャグがある!『行け!稲中卓球部』の名匠・古谷実が問いかける、“人生って、何?”――母が死に、養父に捨てられた兄弟=すぐ夫(14歳)&いく夫(小3)。縁もゆかりもなく上京してみた“根無し草”ブラザーズは、シンナー依存症の辮髪(べんぱつ)孤児・イトキン(たぶん14歳)やイケメン秀才・カズキと、チン妙きわまる居候(いそうろう)暮らしをスタート。その手始めとして、出張ホスト会社「ホワイトペニーズ」をおっ立てるが……!?
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単行本全4巻(1997年 – 1998年)
前作の稲中がハイテンションな笑いとしたら、こちらの作品はニヒルな笑いでしょうか。
笑いの質は変わらず、少し哲学的な一面も顔を出しています。
今後の古谷実作品にも通ずるところがある作品と言えるでしょう。
ギャグ漫画の頂点、真の代表作はこちら。
『稲中』の古谷実プレゼンツ、ねっちょりGAGが青春全開フルスロットル☆――童貞生き腐れマンの関口(19歳)は、バイク乗りの激マブ嬢=みどりにZOKKONラブ!!“無免許&無バイク&無知識”のくせにガツガツモードに変身し、みどりの属するバイクチーム「グリーンヒル」にむりやり加入することに。しかしそこは、胸毛ボンな金満ニートに暴力硬派男、『僕といっしょ』のイトキンそっくり(!?)な男たちなど……猛獣ライクなハンパ者たちが、“バイク愛”に生きる聖域だった!!
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単行本全3巻(1999年 – 2000年)
古谷実の実質最後のギャグ漫画作品。とにかく完成度が高いです。個人的には1番笑いました。
ただ、少しリアルな展開が自分にも当てはまってるところがあり、笑いながらも胸騒ぎがしてきます。
笑いと現実の本質をついてくる作品です。
不道徳な時間をお届け。言葉が出ない衝撃の連続。
人生って、とんでもねえぇぇぇ――!!超極端な不幸に巻き込まれずに生きる、ズーズーしき「普通の人間」たち。そんな彼らに憧(あこが)れつつも、激しい憎しみを抑えきれない中3男子・住田。彼の悩みは、「自分にしか見えないバケモノ」にとりつかれていることだった……。メガヒットGAG大作『行け!稲中卓球部』から一貫して、「人生とは何か?」というテーマを問うてきた漫画家・古谷実。その魂をつぎ込んで描き出される、圧倒的な「絶望の世界」!!
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単行本全4巻(2001年 – 2002年)
この作品から作風がガラリと変わります。笑いとかけ離れたダークな展開です。
妬み嫉みがとても共感でき、人間の本質が剥き出しになります。
普通に生きることがどれだけ難しいことか考えさせられる作品です。
不穏な時間の連続。恐怖と隣り合わせの日常。
あこがれはバイク。恋心もほんの少し。そんな青春17遁走曲(フーガ)!!見た目も成績も「中の下」で、完璧イジメられっ子な17歳、荻野優介(おぎの・ゆうすけ)。ダメダメ平凡な彼の夢は、バイクの免許を取得して、教習所でチラ見している美人なゆみちゃんに近づくこと……。ムリめな妄想と諦(あきら)めてたのに、なんと彼女の方から急・接・近?これはあれか、ワナなのかっ!?青春という名の、毒やドロ沼がモニュッと凝縮。『稲中』の巨匠・古谷実による、「読んだら語りたくなる系」青春ドラマ!!
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単行本全6巻(2003年 – 2005年)
現実的な日常を描いているのですが、どこか非現実で、非日常。
何か起きそうで起きない、でもやっぱり起きている。
何度も読みたくなる、とても不思議な作品です。
心の中で頑張れと叫ぶ。頑張ろうと思わせてくれる。
流れ星さん、お願いです。オレに友達を、友達をください――!!!!深夜のスーパーマーケットに生息するひとりぼっちの警備員、富岡ゆうじ、32歳。「恋ナシ友ナシ困難ナシ」の深海魚ライフを生きていたけれど、突然ながら「孤独は罪」だと気付いてしまったのである!!パンツ一丁で悶(もだ)えまくる、寂しき富岡の願い。これに応えてくれたのは、ラブレターならぬ「脅迫状」……!?32歳の超うす口な人生が、ブッ飛びドラマに大転換!!恋アリ友アリ困難だって……超いっぱい☆
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単行本全4巻(2006年 – 2007年)
主人公は冴えない男性なのですが、純粋なところがとても惹きつけられます。
最初の印象とは違い、徐々にかっこよく見えてきます。
内容がダークなのですが、なぜか明るい作品です。
古谷実の境地。説明不要。聞く前に読むのをおすすめします。
人生、黄色信号点灯中! ゆらゆらと――ヒシヒシと――けっして交わってはならない2つの世界! ショボくれた青春を送ってきた岡田(おかだ)君。ビル清掃のバイトしかない、モヤモヤした日々。職場の先輩・安藤(あんどう)さんに相談したけど、逆に片思いのお手伝いをさせられる始末。同時期、岡田君の高校時代の同級生・森田(もりた)は、抜け出せない深い闇をさまよっていた――。
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単行本全6巻(2008年 – 2010年)
この作品は主人公のコミカルな日常と、一方で主人公の同級生(森田)の苦悩を二つの軸で描いた作品となっています。
先天的なものを変えることができない苦悩を見事に表現しており、とても考えさせられる作品です。
人生楽しく。なぜか愛着のある主人公です。
関東甲信越のとある田舎街……。犬猫くらいにしか見向きもされない“残飯おとこ”登場!!『行け!稲中卓球部』『ヒミズ』の古谷実、2年ぶりの新作は、塩味たっぷりきいたシニカルコメディ。14年間、引きこもっていた残飯おとこが、自立をするため立ち上がる……。とはいえ、何もできるはずもなく、周囲に大迷惑をかけるだけ。己のため、“愛”のため、この想いをつらぬけるか!?
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単行本全4巻(2012年 – 2013年)
少しコメディ路線が戻ってきた作品です。
今までは何かに巻き込まれると言った作品が多かったのですが、今回は巻き込む側です。
屁理屈をこね、仕事もせず、社会不適合者な主人公なのですが、とても生き生きしています。
古谷実の実験、突然の展開に心躍る。
バウムクーヘン職人・大西たつみは四十路にして初恋に落ちる。だが、その恋の行方は、文字通り迷宮入りに。次々に大西に降りかかる説明不可能な不自然現象。翻弄に次ぐ翻弄で、もはや大西は人とは呼べない存在に。この迷宮から無事に帰還し、再びバウムを焼ける日は戻ってくるのか。イブニング初掲載時から大反響を呼んだ古谷実最新作、いよいよ単行本解禁です!!
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単行本全2巻(2016 – 2017年)
シュールな展開で一見謎が多いのですが、病気や災害等の不幸はいつ起きるかわからないことであり、この展開が、常に覚悟しておくことなんだろうと考えさせられます。
話はコミカルにテンポ早く進んでいくので非常に読みやすい作品です。
タイトルの由来
古谷実の作品はタイトルが初めて聞いたような言葉ばかりです。
少し由来をまとめてみました。
ヒミズ
もぐら
シガテラ
熱帯・亜熱帯のサンゴ礁の周辺に生息する魚によって起こる食中毒の総称
わにとかげぎす
深海魚。
ヒメアノ〜ル
ヒメトカゲという体長10cmほどの小型爬虫類で、つまり強者の餌となる弱者を意味する。
サルチネス
塩味。しょっぱい。
ゲレクシス
こちらは単行本2巻で「この世にいてもいなくてもいい比率が完全に完璧に半々になった人間が稀にこうなる(主人公が変化してしまった状態)」
その状態をゲレクシスと呼ぶそうです。
古谷実が作った言葉であると考えられます。
調べてみるとどれもタイトルと内容がどれもマッチしているように思えます。
このようなタイトル考えつく古谷実さんはやはり凄い漫画家ですね。
まとめ
今回は古谷実さんの作品を紹介してみました。
日常に感じる様々なズレが笑いを生み出し、恐怖を生み出すことを証明してきました。
今後の作品も期待です。
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